Technics パワーアンプ SE−A3 No.2 修理の様子
故障内容
プロテクションが解除しない。メーター照明半分点灯せず。10Aのヒューズ断。
原因
Rチャンネルのパワートランジスタ(OD−503A)不良
処置
新型パワートランジスタ24個の交換と調整
ストックしているパワートランジスタ。もう10台も修理した
ので、在庫少なくなりました。
追加発注しなければ。。。半導体は、製造の関係で3ヶ月
程度の納期がかかります。
事業部に在庫あれば早いのですが
パワーステージの改修作業
a)オリジナルのパワートランジスタ(OD−503−A)は、ピン配列が特殊な為、基板の一部変更が必要
ヒートシンクの取り外し
不良になったOD−503−A
ヒートシンクを外した本体。この基板の改造が必要
分解した本体
電源ラインの半田吸い取り、パワーブロック基板を外す。
取り外したパワーブロック基板。
ヒートシンクを解体し、旧素子を外す
現行のトランジスターが実装できる様に基板の改修
作業実施。
b)ヒートシンクを加工して、新型のパワートランジスタを取り付ける
最新のパワートランジスター(230V15A PC180W)
に交換。
OD−503−Aのピッチに合わせて実装。
c)取り外したオリジナルパワートランジスタ(OD−503−A)
今回も2個が、ショートして不良。他2個は、NPN側のhfe
異常低下でいずれも使用不可。
トランジスタも劣化するのですね。
d)ドライバー基板の半田はどれも劣化がすすんでいます。
この基板の半田不良で、故障するパターンが多いです。
これは、まだ綺麗な方です。ひどいものは、多数の半田割れ
が見られます。
パワーTRの根元が焼けていないことから、使用時間は短い
方だと思われます。
e)電圧増幅段は、はんだすべて修正。入力回路の一部変更実施。
電圧増幅段は、ロットにより少々回路変更されています。
今回は、ロットが古い為、最終型に基板改修。
(保護Diの追加とレベルシフト。)
入力回路は、超高域発振対策の為、一部変更済み。
半田はもちろんすべて修正
f)ヒートシンク取り付け、電源ラインのはんだ付け。
両チャンネル取り付け。内部は年式の割に綺麗です。
大切に使われていたようですね。
g)ミューティング&SPセレクトリレー交換(3ヶ)
リレー基板の取り外し
新品のリレーへ交換します。リレーの接点を洗浄されて使用される方が多いですが、洗浄しても20kHzの歪は取れません。
かと言って接点を研磨すれば、寿命は極端に低下します。古いリレーは交換が鉄則です。
h)完成したSE−A3
パネル前面の傷をタッチアップペイントで補修し、完成です。
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