Technics パワーアンプ SE−A3 No.31 修理の様子

故障内容

 音出ない。

原因

 
 パワートランジスタ(OD−503A)破損。

処置

 オーバーホール修理。

修理期間

 2020年6月18日〜22日


 ATTの洗浄修理。



















 修理の終了したATT取付けと、半田の修正。



















 入力基板の半田修正。



















 ドライブ基板には、パターン剥離修正痕があります。



















 プリドライブ基板(1)の部品交換。



















 半田と剥離パターンの修正。



















 プリドライブ基板(2)の部品交換。



















 半田の修正。



















 初段基板(1)の部品交換。



















 半田の修正。



















 初段基板(2)の部品交換。



















 半田の修正。



















 現行トランジスタへ交換する為、基板の改修を行います。



















 パワーステージ基板(1)の部品交換と、パターン改修、半田の修正。

 電源バス板を基板パターンを傷めない様、注意して剥がします。ここの作業が
一番神経を使います。
















 パワーステージ基板(2)の部品交換と、パターン改修、半田の修正。



















 電源バス板取付け。高電圧が掛かる部分なので、トラッキング事故防止の為
綺麗に基板洗浄処理します。


















 現行トランジスタ取付けの為、放熱板の追加工を行います。



















 トランジスタの取付け。



















 保護回路基板の部品交換。



















 半田の修正。



















 スピーカー切替スイッチの分解修理。



















 修理の終了したスイッチ取付けと、半田の修正。



















 インジケータランプは未交換(出荷時状態)なので、新品に交換します。




















 PROTECTION以外のランプ4ヶ交換。



















 電源・メーター駆動基板の部品交換。



















 半田の修正。



















 交換部品です。



















 歪みの測定です。
 Rチャンネルです。パワートランジスタが元気になりましたので歪みも極小になりました。

 オリジナルのOD-503Aにこだわり、中古部品等で修理するのはお勧め致しません。整備品
として販売したり、対価を頂いて修理する場合は早期故障により信用を失うリスクが大きい為
です。ご自分で修理出来る方であれば、中古品を使用して延命するのは問題ないと思います。ただ
破損時にブロックコンデンサがダメージを受ける危険はあります。

 EBT/RET/DLPT等マルチエミッタ構造トランジスタは高周波特性が良い分、スイッチング歪みは少ない
のですが、有害なクロスオーバー歪みはhfe曲線の立ち上がりが鋭い従来型トランジスタの方が小さく
なります。回路技術の向上もあり、高価なマルチエミッタ構造のトランジスタを使用するメリットは徐々に薄れ
需要が無くなった歴史的背景があります。

 ftが30MHz程度の現行オーディオ用パワートランジスタで十分満足出来る特性と音質が得られます。(位相補償の定数変更は勿論必要です。)








 Lチャンネルです。



















 試聴・エージングして完成です。

 SE−A3本来の優れた音質が蘇りました。










 修理完了です。


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