Technics パワーアンプ SE−9600 修理の様子

故障内容

 
Lチャンネルより大きなノイズ発生

原因

 
 コンデンサー及び初段トランジスター劣化

処置

 コンデンサー交換。初段トランジスター交換。基板改修。


修理期間

 9/30〜10/1

 故障したL側の基板


 コンデンサーの劣化が進んでいます。初段トランジスターも
不安定です。

 今回はオーバーホール作業ですので、劣化部品はすべて
交換します。















 Rチャンネルの基板です。こちらも劣化が進んでいます。




















 部品の交換と基板改修が終了しました。



















 通常のパワーアンプは、初段とプリドライバーのみ安定化電源から
電源供給しています(パワーステージは非安定)が、SE−9600は
全段、安定化電源より電圧供給しています。
 非常に優れた回路構成です。

 安定化電源基板のコンデンサーもすべて交換します。














 部品の交換が完了しました。



















 フロントパネル及び、メーター内部もかなり汚れていましたので
分解清掃します。




















 Lチャンネルの歪み波形です。(ぶれは撮影の問題です)


















 アイドリング電流を、歪みの最小点に合わせます。



















 R側の波形です。バイアスが浅すぎ、クロスオーバー歪み
盛大に出ています。


















 こちらも、アイドリング電流を、歪みの最小点に合わせます。



















 メーターの公正をします。



















 交換したパーツ郡



















 エージングして作業は終了です。試聴結果も良好です。
SE−9000シリーズは、特にインピーダンス切り替え出来ます
ので、インピーダンスを上げることで、真空管時代のOLDスピーカー
も豊かな音質で再生が可能です。非常に貴重な存在になりました。









*真空管時代のSPは、真空管アンプのインピーダンスが高いので
スピーカーのf0(エフゼロ)付近が自然に向上して、低音の不足を
補うものが多くありました。

 トランジスターアンプで、このようなSPを鳴らすと、低音不足になる
ので、インピーダンス切替え機能あれば、これを補正することができる
訳です。もちろん最近のスピーカーでも、インピーダンスを上げることで
f0付近の低音は上昇してコーン紙の制動が利かない分、柔らかい低音
にすることが出来ます。

 最近の真空管アンプブームも、この影響が癒しを求める時代
と融合して起きている気がしています。





修理完了です。













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